雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
今までずっと一人暮らしをしてきたので、家事をやるのは慣れている。
完璧にやれているという自信はないが、今は家事をやるのが私の仕事なので、今までみたいな適当なやり方でやるわけにはいかない。
そう思い、家事について勉強することにした。とりあえずスマホで検索して勉強し、それを実践に活かすことに。
すると勉強して得た知識が活かされ、いつも以上に家事が捗った。

それから私は本格的に勉強がしたいと思い、家の近所の図書館を検索し、実際に図書館へと足を運んだ。
本を借りて家でも勉強をし、自分が得た知識をノートにまとめていく。
仕事をしていない自分に対して劣等感がずっとあった。だから今、とても充実感を感じている。

最初はそれだけで充分だった。
でも次第に不安が募っていった。いつまでも現実逃避できるとは思っていない。これはその場凌ぎに過ぎない。
いつかは終わると分かっていながら選んだ偽りの結婚生活だ。悠翔さんにお世話になっているうちは問題ないが、契約が終了した後は自分でなんとかしなければならない。
これは今まで向き合ってこなかったことに向き合うチャンスだ。もちろん契約で定められた家事はちゃんとこなしつつ、その合間に仕事を探すつもりでいる。

今なら仕事を探せるかもしれない。そう思い、平日の昼間にハローワークに足を運んだ。
いざハローワークまで足を運んでみたはいいものの、ハローワークの職員さんと面談した結果、私はどんな仕事がしたいのか分からなかった。
結局何もできないまま、私は自宅へと帰宅した。やりたい仕事すらない自分に落ち込んだ。
これからゆっくり考えていけばいつか見つかるのだろうか。全く見つかる気がしない。
どうして仕事をすることがこんなに難しいのだろうか。やっと前へ進みたいと一歩を踏み出したのに…。
自己嫌悪に陥ったが、一旦忘れることにした。今の私には課せられた契約があるから。
忘れるためにも家事に勤しんだ。だけど頭の片隅に眠っていて。完全に忘れることはできなかった。
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