雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「ご馳走様。午後は用事があって家を空けるけど、家の留守をよろしくな」

悠翔さんは先に食べ終え、食べ終えた食器をシンクまで運び、そのまま出かけてしまった。
まだ食べ終えていない私は、一人で食事をすることになった。
あれ?おかしいな。契約のルール上、一緒に食事をすることになっていたはず。
それなのに悠翔さんは私を置いてどこかへ出かけてしまった。用事があるのなら仕方がないが、悠翔さんと一緒に食事をしたかった。
せっかく前向きな気持ちになれたのに、一気に崖に落とされた気持ちになった。

それでも私は悠翔さんの妻なので、契約を守るために悠翔さんが居ない隙に残りの家事をこなしていく。
まず食べ終えた食器や料理で使った器具を洗い、片付けていく。
洗い物を終えたら掃除機をかける。リビングや廊下、それぞれの自室など、家中の汚れを吸い取っていく。

契約上家事を怠るわけにはいかないので、掃除の時だけは悠翔さんの部屋に入らせてもらう。
悠翔さんの部屋は用がある時以外、入ることはない。お互いのプライバシーを守るためにそうしている。
あまりジロジロと部屋の中を見ないようにしながら、丁寧に掃除をする。埃やゴミが一つも残らないように。
リビングはできるだけ毎日掃除をするようにしているが、悠翔さんのお部屋だけは週に一回掃除をしている。
それ以上掃除をするのは悠翔さんのプライバシーを侵害しているような気がして気が引けるので、あまり踏み込まないようにしている。
悠翔さんの部屋を掃除し終えた後はリビングの掃除に取り掛かる。
常に掃除をしているとはいえども、見えない小さなゴミはすぐに発生するので、リビングだけは常に掃除をするように心がけている。

それ以外にも共同で使用する場所は常に掃除をしている。それが今の私に与えられた役目だから。
常に掃除をしている場所に関してはそこまで汚れていなかったので、すぐに掃除を終えた。
掃除を終えた後は干している洗濯物を畳む。悠翔さんの服も私の服と一緒に洗濯しているため、私が畳んで収納することになっている。
ちなみに洗濯物は夜に洗濯を回し、中干しなのでサンルームで洗濯物を干している。
二人暮らしなので、洗濯物は少ない。すぐに畳み終えるので、畳んだ洗濯物を収納していく。
もう一度、悠翔さんの部屋に入り、洗濯物をクローゼットの中へとしまう。
用が済んだので、すぐに悠翔さんの部屋を後にし、次は自分の洗濯物をしまう。
自分の洗濯物をしまい終えたら、タオル類をサニタリールームのタオル置き場へと戻す。
そして今夜使うタオルを先に出しておき、悠翔さんが使いやすいようにしておく。
これで一通りの家事を終えた。後は夕飯の支度をするのみだ。
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