雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「奈緒、何が食べたい?奈緒が食べたいものを注文するよ」

そんな状態で食べたいものなんて何も考えられない。悠翔さんのことばかり考えてしまう。

「この中から好きなものを選んで。はい、どうぞ」

悠翔さんがジャケットのポケットからスマホを取り出し、注文するデリバリーのアプリを立ち上げ、そのままスマホを渡してくれた。
悠翔さんのスマホ…。普段は絶対に触ることはない物を触っているというだけでドキドキする。
緊張して手が震えながらスマホを触る。悠翔さんが立ち上げてくれたデリバリーアプリの画面には様々なお店が一覧となって記載されてあり、どのお店も魅力的だが、私の目にすぐ入ってきたお店があった。

「そうですね、うーん…、お寿司が食べたいです」

普段なら申し訳ない気持ちが先行して言えないが、心に抱えていた荷物が軽くなった途端、今日だけ贅沢がしたいなと思った。

「それじゃ寿司にしよっか。この中ならどれがいい?」

お寿司のお店をタップし、メニュー一覧を見ることに…。
様々なメニューが記載されており、その中でも私が気になったのは…。

「鮪づくしでお願いします」

いつもなら色々な寿司ネタを食べたいところだが、今日は鮪だけのお寿司に惹かれたので鮪づくしに決めた。

「鮪づくしか。いいな。俺もそれにしようかな…」

悠翔さんも鮪づくしが気になったようだ。悠翔さんと同じものを食べられるというだけで嬉しかった。

「奈緒、スマホを返してもらってもいい?注文するから」

悠翔さんに言われるまで、私が悠翔さんのスマホを持っていることを忘れていた。

「すみません、お返しします」

注文してもらうために、悠翔さんにスマホを返した。
私がスマホを返すと、悠翔さんは早速、注文するために手続きを行なってくれた。
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