雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
…なんてことを考えていたら、玄関の鍵が解錠され、扉が開く音がした。

「ただいま…」

悠翔さんのことを考えていたら、本当に悠翔さんが帰ってきた。
驚きを隠せなかった。あまりにもタイミングが良過ぎて。

「悠翔さん、おかえりなさい」

「今日も疲れた。やっと家に帰れた…」

今日は相当忙しかったみたいで。悠翔さんはお疲れモードだ。

「今日も一日お疲れ様です。お風呂も沸いてますし、ご飯もできてますので、どちらが先でも大丈夫ですよ」

あくまで選択肢は悠翔さんにある。悠翔さんはどちらを先に選択するのだろうか。

「それじゃお風呂を先に頂くな。先に準備しておいてくれてありがとう」

そっと私の頭を撫でてから、悠翔さんはその場を去った。
悠翔さんはいつもさり気なく触れてくる。この行動に深い意味はないと分かっている。
それでも意識せずにはいられない。好きな人に触れられたら誰だってそうなってしまうものだ。
悠翔さんがお風呂から上がってくる間に邪念を振り払わなければ。意識していることがバレるわけにはいかない。
自分の頬を両手でパンと叩き、目を覚ます。気持ちを切り替えて、悠翔さんがお風呂から上がってきたらご飯にするために準備を始める。
まずは作った料理を温め、料理を装うお皿をカップボードから取り出す。
そうこうしているうちに料理が温まったので、お皿に料理を装う。
装ったお皿をダイニングテーブルまで運び、箸とコップも持って準備完了。

「美味しそう…」

準備が整ったところで、悠翔さんがお風呂から上がってきた。これまたナイスタイミングだ。

「悠翔さん、今日も飲みますか?」

悠翔さんはいつも仕事終わりに必ずと言っていいほどお酒を飲む。特にビールを好んでビールを飲むことが多い。
一応ビール以外にもお酒を常備しているが、冷蔵庫でキンキンに冷えたビールの缶がある。

「飲むよ。ビールでお願いします」

悠翔さんのために冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを取り出し、悠翔さんが座っているダイニングテーブルの上に置いた。

「どうぞ、ビールです」

「ありがとう」

悠翔さんにビールを渡したので、今度は自分の分の飲み物を取りに再び冷蔵庫へ。
冷蔵庫から麦茶を取り出し、麦茶が入っているボトルを持ってそのままダイニングテーブルへと戻った。

「お待たせしました。食べましょうか」

「そうだな。それじゃいただきます…」

「いただきます…」

ちゃんと手を合わせてから食べ始める。まずはサラダから。
サラダはキャベツの千切りとプチトマトを添えて、上からドレッシングをかけただけの簡単なサラダ。
ちなみにキャベツの千切りは、既にカットされているサラダを購入。
いくら専業主婦で時間があるとはいえども、毎回キャベツを千切りにするのは手間がかかるので、少しでも手間を省くためにカット野菜を使用している。
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