【短】卒業〜飯田理子の場合〜
俯いていた顔を上げると、そこには今まで見た事ないほど真剣な顔をした彼がいた。
その目には仄暗い熱情が見て取れる。

咄嗟に後ずさるけれど、遅かった。

再び覆い被られて、吐息が顔にかかる距離で囁かれる。

「俺が理子の事どう思ってるか、今から分からせるから」

言うなり身体をまさぐりはじめる。

“ああ、毒されてるな”そう思った。

心の奥深くが、“彼に触れられて嬉しい”そう感じたから。

その瞬間、私の頬にぽたっと水滴が落ちる。
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