尽くし系女子は再会した幼馴染に甘やかされる~恋なんてもうこりごりだと思っていたはずなのに~
 永遠にも思えるほど、長い時間に感じた。

 視線を逸らすこともできず、私はただ陽翔くんの視線を受けとめる。

(――こんな、目だったっけ)

 頭の中にいる陽翔くんと、今の陽翔くんが一致しない。

 けど、顔は陽翔くんそのものだ。……やっぱり、私の幼馴染の陽翔くんに間違いない。

「……紗菜」

 お姉ちゃんの呼びかけに、現実に戻った。陽翔くんは、相変わらず私の手首をつかんだまま。

 離さないと言っているようで――胸の高鳴りを覚える。

(って、いやいや! 私、今日彼氏と別れたばっかりなんだよ?)

 なのに、なんで……。

 もしくは、別れたばかり『だから』なのか。

 傷心したところに、昔馴染みとの再会。フィクションなら、恋が始まってもおかしくはない。
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