尽くし系女子は再会した幼馴染に甘やかされる~恋なんてもうこりごりだと思っていたはずなのに~
「紗菜は、俺のことどう思ってんの?」
「は?」

 突然の問いかけに、変な声が出た。

 何度か瞬きをする。陽翔くんは、真剣な表情だ。

「どう、って」

 言葉を繰り返すことしかできない。

 私が、陽翔くんのことをどう思っているか、なんて――。

(そんなの、世話が焼ける幼馴染に決まっているじゃんか)

 陽翔くんはとっても世話の焼ける子供だった。口癖は「めんどう」で、世話焼き体質の私はついつい陽翔くんの面倒を見て……。

 同い年なのに、姉弟みたいだねって言われたことも一度や二度じゃない。

「私は、陽翔くんのことを――」

 答えようとして、言葉に詰まった。

 陽翔くんが求めている答えはこれじゃないって、わかったからだ。

 口を閉ざす。私と陽翔くんの様子を見かねたのか、お姉ちゃんはジェスチャーで「あっちにいけ」という。

「ここは私が払っておくから、二人で外で話しなさい。……ただでさえ狭いんだから、突っ立ってると迷惑だよ」

 ……確かに、そうだ。

 お姉ちゃんは陽翔くんに向かってウィンクを飛ばす。陽翔くんは渋々といった風に立ち上がった。

「紗菜、外でよ」

 私を強引に連れて、お店を出ていく陽翔くん。お姉ちゃんを見ると、口パクで「がんばって」と伝えてきたのがわかった。

 頑張るとは、一体なにをがんばるのだろうか……。
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