尽くし系女子は再会した幼馴染に甘やかされる~恋なんてもうこりごりだと思っていたはずなのに~
(普通に考えると、私と陽翔くんをくっつけようとしてる?)

 アルコールでふわふわする頭で、必死に考える。でも、さすがにそれはないだろう。

 だって、私と陽翔くんだよ? 姉弟みたいな関係だったんだよ? 無理でしょ。

(それに、陽翔くんだってこんなダメ男量産女、嫌だろうし……)

 一人で考えて自己嫌悪。

 大きくため息をついた私に気づいて、陽翔くんが立ち止まった。

「――なぁ、紗菜」
「うん、なぁに?」

 一歩前にいる陽翔くんが、私を見た。

 ――あぁ、この人は。私が知る陽翔くんじゃ、ないんだ。

(世話が焼けて、めんどうくさいが口癖の陽翔くんじゃない)

 彼もしっかり、社会人なんだ。大人なんだ。

 認識して、余計に惨めになる。

「……あのね、私、今日彼氏と別れたの」

 弱音なんて吐きたくなかった。なのに、口が勝手に動いた。

「原因は相手の浮気なの。最低だよね」

 陽翔くんはなにも言わない。それが心地よくて、弱音はエスカレートする。

「私、男の人をダメにしちゃうの。尽くしすぎちゃうって言うのかな。重いって言われるし、もうどうしたらいいんだろうって」

 どこまでもみじめだ。私はどうして――こんなこと、愚痴っているんだろう。

「私、このままなのかな? 一生ダメ男を量産し続けるのかな――?」

 陽翔くんに聞いたところで、答えなんて返ってこない。わかっていても、ついつい聞いた。

「バカみたい。私は、すごーく馬鹿!」

 涙が頬を伝った。気づいたら、泣いていたらしい。

「ばか、馬鹿。なんで、こんなことばっかり……」

 嗚咽を漏らす。

 私、なにがダメなんだろう。やっぱり、尽くす女は都合のいい女なの?

「ねぇ、教えてよ――」

 顔をあげて、息を呑んだ。間近に、陽翔くんの顔があったから。
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