尽くし系女子は再会した幼馴染に甘やかされる~恋なんてもうこりごりだと思っていたはずなのに~
『うん、ちょっといろいろあって……。今日、会えないかな』

 突然のお願いに、お姉ちゃんは少し間を置いた。やっぱり、迷惑かな――。

『夜の七時くらいなら大丈夫よ。どうせだし、晩御飯でも食べる?』

 お姉ちゃんは鋭い人だ。きっと、私の気分が沈んでいるのもお見通しなのだろう。

『いいね。いつもの居酒屋に行こうよ』
『オッケー。じゃあ、またあとで』

 通話が切れる。

 静まり返った部屋で、私はわずかに思案して――旅行用のスーツケースを取り出した。

(とにかく、家に帰って訳を話して泊めてもらうか、ダメならビジネスホテルにでも泊まろう)

 一分一秒でも早く、この部屋から出て行きたかった。

 だから、私はスーツケースに着替えを詰め込んで――部屋を出た。

 これが、私の身に起きたことの顛末だ。
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