獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
絶対絶命
黒金会のアジトに連れてこられた私は、冷たいコンクリートの上に座らせられている。
周りを見れば鉄格子のかけられた窓1つ。
まるで独房のような場所で手錠をされていた。
「へえ、これがあいつが選んだベル?」
「誰…ですか」
「黒金会、南の責任者ってところかな」
ガチャリと重たい扉から入ってきたのは、さっきまでの黒金会の人たちとは別格の領域。
据わっている目は、躊躇することなく非道なことをする…そんな気がした。
見定めるように私を見れば、そのまま正面に座ってくる。
「裏切り者の女で、聡明で美しい心を持ってるって言われてるだっけ?」
「裏切り者って隼太くんのことを言っているんですか?」
「他に誰がいる?あいつだけじゃねえ、あいつの親も…一生苦しませてやる」
「どうして、そこまで隼太くんに執着を…?」