獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
南高襲撃










あれから数日後──


隼太くんは、絶対安静を条件に無理やり退院した。



無茶をして肩を動かすと、神経が切れてしまう恐れがあるらしい。



そのため、私がお目付け役として隼太くんに、付きっきりで看病をしている。



「なあちゃん、隼太クン、森川も退院して2人にお土産持ってきてくれたよ」


「え、これ今すごく人気のシュークリーム...っ!!」


「そうらしいね、森川がお見舞い来てくれてありがとうって言ってた」


「輝くん、森川くんはもう帰っちゃった?」


「すぐ帰っちゃった。でも、また明日来ると思うよ。俺も退散するね〜」



ひらひらと手を振りながら、部屋を出てしまった輝くん。



「七瀬は甘いもの好き?」


「うん!」


「じゃあ俺のも食べな」


「え?一緒に食べようよ」


「あんま甘いの得意じゃないんだよ。 森川もそれ知ってて持ってきてるから、2つとも七瀬の分」



得意じゃないのを、無理に食べさせるのも申し訳なくて、一人でいただくことにする。


いただきますと言って一口食べると、程よい甘さのカスタードクリームが、たっぷり入っていた。
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