獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
私には、彼女のように強い力があるわけではないけど、危険でも誰かのために動ける人でありたい。
自分の意志を...言葉を曲げない人になりたいと、隼太くんと出会って改めて思った。
「悪くないね、七瀬が好きそうな本」
「でしょ?これだけは家から持ってきた大切な本なの」
その本の感想を隼太くんから聞いて、話していると誰かが部屋の扉を開ける。
「隼太、ななせ悪いな。 ちょっと話がある」
「青鷺火か?」
「そうだな、青鷺火の動きが活発化してきて、以前よりも北側に侵入してきてる」
「で?報告だけじゃなくてなにか策があるんでしょ」
隼太くんも晴人くんもお互いをわかっているから、話が簡潔になってる。
一を聞いて十を知るじゃないけど、隼太くんの先を見据える力はすごいと思った。
「俺達も1人幹部を残して、境目の中央に行こうと思う」
「...また喧嘩になっちゃうの? また、誰かが傷つくの?」
「ななせ?」
「隼太くん、晴人くん。喧嘩しなくても和解できる方法ってないのかな」