獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


お願い…行かないでという念を込めて、彼の腕をギュッと掴む。


けど、予想通り私の願いは叶うことはない。



「七瀬、約束する。 無事に決着がついたらその時、お前に伝えたいことがあるんだ。」



だから帰ってくるって言いながら、掴んでいた腕を逆に掴んで引っ張られた。


気づけば唇が重なって、私の中に錠剤のようなものが転がり込む。



それが何かわかっているのに、隼太くんは離してくれなくて…意識が朦朧としてきた。



唇が離れた時には、全身の力が抜けて一人では立てない。



「は…やた、くん」


「手荒なことしてごめん」



私を抱えてベッドに寝かせられて…




「お前を狙う敵全てを、俺が絶対に守るって決めてるから」



そんな隼太くんの言葉と共に、私は意識を手放したのだ。


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