獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


急に綺麗な顔が近くにあったらドキドキするじゃん!



「先が思いやられるなー。このエレベーター降りたらこんなもんじゃねーぞ?」



「え…」



「ここ、旧校舎は野獣の檻と呼ばれてる。その名の通り俺を含め鳳凰の幹部は“人間”でなく“獣”だ」



「獣と呼ばれる意味がわからないけど…晴人くんは強引だけど人の気持ちがわかる人間だよ」





表情には出ていないけど、私の背に回していた手がピクっと動いた。
そのまま閃光の瞳を見つめていると、今日一盛大なため息を吐かれる。




「はぁー、だからおまえがベルとして選ばれたんだな」




「それってどういう意味…」




「着いたから行くぞ。餞別として1個だけ他の奴らのことを教えてやる。残りの3人とも曲者で一筋縄じゃいかねぇ。自分を貫き通せ」





エレベーターから降りて向かったのは、廊下から見えない空き教室。



──だと思われる部屋。





晴人くんが開けると、そこに待ち受けていたのは獣と呼ばれる何も光を宿していない瞳を持った人達。




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