獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


「ななせちゃんだからなあちゃん。可愛いでしょ?」



「はあ…、」




私をなあちゃんと呼ぶのは、金色の髪を緩くパーマをかけてセンター分けにしている色気たっぷりの男の子。


彼もまたイケメンと呼ばれる部類で、薄い唇が弧を描くようににんまり笑う姿は、軽薄な化け狐のよう。



ちゃ、チャラ…い。




「輝くんはデフォがこうだからほっといて、ポンコツに自己紹介する?隼太くん」



「いや、自己紹介結構です!ここに来たのはベルを辞退するためなので」



「あんたばかなの?本気でベル辞退できると思ってるの?」



「んーでも、乗り気じゃない私よりはやりたい子にやってもらった方がいいかと…」




颯くんと呼ばれる犬系の男の子は、私に良い印象は持たれてなくて当たりが強い…。



見知らぬ女が自分の領域に入られたら、怒るのもわからないでもないけど。



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