獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
幹部紹介


「えーと…まさかとは思うんだけど、颯くん教室に入るの?」


「はあ?授業受けるんだから入るでしょ」


「あ、え…?授業?」




教室に向かう静かな廊下を歩く私の隣にいるのは、不機嫌な颯くんである。



結局あの後すぐに教室へ迎えるのかと思えば、更に絶対条件を追加され、一限に間に合わなかった。



なぜ颯くんがいるのかというと。











遡ること数十分前──



「じゃあ行ってきます」



「七瀬待った」




恐れ多い交渉が無事成立して、一刻も早くこの場を去りたい私を引き止める。



「今のは交渉だけどそのほか絶対条件がある」


「絶対条件……?」


「そ、絶対条件。これから学校へ行く時は必ず幹部を連れていくこと」


「…いやいや、そんな顔の綺麗な皆さんが来たら目立つどころか、授業にならない気が」



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