獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


「大人くしくしてたら優しくするから」



「嫌って言ってるでしょ!」



両脇から押さえられてることをいいことに、スキンヘッド男は人差し指を私の首からゆっくりと一直線へ、ツーっとなぞるように下へさがってきて…。

その行為に身の毛がよだつ。



「おい、うちのもんに誰の許可を得て手を出してる」



「…っ」




もう終わったと悟った時に、低い重低音のような声がその場を圧倒し皆の動きが止まった。
抵抗していた私も例外じゃない。


現れたのはこの世のものとは思えないくらい、綺麗でまさに国宝級。




「お前ら南高だろ?もう一度聞く。誰の許可を得て“ここ”にいる?」



「やべぇよ。柚木さんのところに一旦帰ろうぜ」



「柚木…ねぇ。青鷺火か、これは鳳凰への宣戦布告と受け取っていいな?」




ただその場で話しているだけなのに、尋常ではない殺気に南高の男達は怯み私は開放された。
国宝級にかっこいい…でも、彼の瞳は冷たい。


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