獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


考え込んでいると、肩をガシッと掴んで前後に激しく揺らす里菜ちゃん。



こういった興奮気味のとき、力強いんだよねえ…




「ほら!隼太さまってやっぱり七瀬に気があるんだよ」


「だからさっきも言ったけど、監視でそう見えてるだけだってば…」


「まったく、頑固なんだから。颯さまから見てどう思います?」



え!?なぜ颯くんに話をふる!?

まさかそこで話す相手を変えられると思ってなくて、予想外な展開に心臓が飛び出そうになった。



「俺も里菜チャンと同じように思うな」


「ですよね!」



フレンドリーな里菜ちゃんと、腹黒颯くんにお手上げでもう勝手にしてくださいという念を込めて微笑んで教室に戻ることにした。



その後も毎時間休憩が入ると、ベル候補として選ばれた私が物珍しいのか他クラスから見に来る。



颯くんは相変わらず女子たちに囲まれていて…



女子の目がみんなハートマークになっているように見えた。



その中には、モデルをやっていたりアイドルにスカウトされてる子もいてなんで私なんだろって未だに思うことがある。

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