獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


そっと隼太くんの肩を叩いてみるけど応答はなし。



「隼太くん…起きて、朝だよ?」


「ん…あともうちょっと」


「遅刻しちゃうから…!」


「次、喋ったらその口塞ぐ」



目を開けたと思ったら、私を赤面させるようなことを言う。


隼太くんが私を離してくれればいいだけなのに。


しばらく彼の胸板を押して抜け出そうとしたりしたけど、抜け出せずに重ねて災難はやってくる。





「ななせが起きてねーから俺で許せよ…て、あー、おまえいたの。邪魔して悪いな?」




は、晴人くん!?すごい棒読みだし、全然悪いとも思ってない…むしろ面白がってる!




「晴人くん!これには訳があって…というか今は起こすの手伝って…!」



「おまえいるなら俺いらねーよ、隼太起こすの体力使うしまだ時間あるからゆっくりどーぞ?」



ちょっと待ってと言い終わる前に、逃げるように晴人くんはドアを閉めて戻っていった。



やっぱり晴人くんって意地悪で極度の面倒くさがりすぎる!



そしてまた私は隼太くんから抜け出すために格闘するのだった。
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