獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


「隼太くん寝起き悪すぎだよ~…」


「昨日誰かさん俺を寝かせるはずだったのに、寝ちゃったからその寝顔見てたら寝不足」


「え!?そんな見ないでよ恥ずかしいから」


「はは、獣の前で無防備に寝るお前が悪い。こんなんで照れちゃってかわいーね」




……っ。


実は隼太くんを起こしたら、昨日と同様にキスの雨が降ってきてそれに応えていたばかり。


体温(特に顔)が上昇していて、手でパタパタ仰いでいる最中、また彼は甘い言葉を放つ。




「隼太くん意地悪」


「ごめんって、ほら拗ねないで?学校遅刻しちゃうから起きよう」




そう言って私の手を引いて、幹部室へ向かう。

…向かう。




私は隼太くんの手を振りほどいて、走り出す。

なぜかって、私の顔はまだ赤くて隼太くんと手を繋いでた。+晴人くんに同じベッドへ入ってるの見られてる。



くせ者揃いの幹部が見逃すはずがない。




隼太くんに嵌められた。

< 64 / 160 >

この作品をシェア

pagetop