獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


そんな単純な私の考えを知らないフリして見逃す人はいない。



先回りしてたかのように入口を塞ぐお三方。



「はいはいすとーっぷ!お部屋は歩こうねなあちゃん?」



「へえ、あの隼太くんがポンコツ相手に欲情すんだ。なあ、どんな策で誘ったの?」




輝くんと颯くん、そして晴人くんによって気づけば問い詰めるように囲んでいて、まさに袋のネズミ状態。



「ち、ちが……!あの、違うくて……」



「こんな顔真っ赤にしちゃって、なあにが違うの?」



これ以上否定しても、今の沸騰しそうな顔面だと信憑性に欠ける。

仮に肯定したとしても、彼らは私の反応を楽しむだろう。



「も、もう…みんな意地悪っ!授業出るからばいばい!」



ここはもう逃げるが勝ち。

教室に行けば、颯くんか晴人くんが着いてくるけど今よりは全然マシなはず。




「あいつ意地悪って…ガキかよ」



「晴人クンが虐めすぎだよ。でも、反応がほーんと可愛いよね。ね、颯クン?」



「…はあ!?なんで俺に聞くんだよ!」




急いで幹部室を出た私には、晴人くん、輝くん、颯くんの会話が聞こえることはなかった。


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