獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
お見舞い
──────数週間後。
隼太くんの寝起きは相変わらずで毎朝、ベッドに引き込まれて困らせられる私です。
「んもう、毎朝毎朝私の心臓がもたないよ…」
「七瀬自体が睡眠薬なんだよ」
「ええ?何それ…起こすの晴人くんの方がいいんじゃない…?」
「それだとお前は学校行けないよ?ずっと幹部室で晴人の玩具にされるか、俺と仲良くベッドになるか…だけど」
「精一杯、隼太くんを起こさせていただきます」
突拍子もない時に、隼太くんは軽い脅しのようなこと口にするんだよね。
未だに男の子慣れしていない私は、心臓がバクバク壊れたような音がする。
「あ、そーだ七瀬。今日、放課後は裏門来れる?」
「裏門?」
「そう、俺が迎えいくから一緒に帰ろ。寄り道して」
「どこ寄り道するの?」
「内緒って言って教えないのもありだよね?その方が一緒にいなくても俺のこと考えてくれるでしょ?」