獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
そう言われたら余計気になるのが、人間なのに多分隼太くんは絶対に教えてくれない。
「…そんなことしなくても、いつも隼太くんでいっぱいだよ…」
毎朝、甘くて寝起きの状態から既に完成されてる顔面に迫られて…
ふとした時に隼太くんの顔、そして私を呼ぶ低くて少し掠れた声が耳に残ってる。
「へえ、獣にそんな可愛いこと言っちゃうんだ?」
「…へ!?」
「いつも俺でいっぱいって、今日やっぱり学校に行かせてあげられないな」
どうしよう……心の声だったつもりが声に出てたなんて!
あまりにもポンコツすぎる!!
「私が男の子に慣れてないの知ってるくせに…意地悪しないで…っ」
「無自覚で煽ってくるのほんとズルいね、ムカつくから意地悪するよ」
隼太くんの手が私の腕を掴んで優しいけど力強く、引き寄せた。
彼の腕の中に入れば、下ろしている髪を横にかき分けて片方の首元が露になる。