獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
「森川、無事?だいじょーぶ?」
「隼太さん! 病院に運んでもらった挙句、様子まで見に来てもらってすみません。…て、そちらは?」
「怯えながらお前を助けたベルだよ」
「あの時の……!ずっとお礼を言いたかったんです。ありがとうございます」
私に視線がスライドして目が合えば、にっこりスマイルの森川くん。
愛嬌たっぷりで、彼もまたモテるだろうなと思った。
「いえいえ、森川くんが無事でほんとに良かった!私、春野七瀬」
「隼太さん、七瀬さんすごく綺麗で一瞬で心奪われました。好きになっちゃいそうです」
隼太くんに突拍子もないことを言う森川くん。
突如、私の肩に彼の腕がかけられて引き寄せられた。
密着度100%!!しかも、人前で!
うろたえる私を気にする素振りもなく、真っ直ぐに森川くんを見て口を開く。
「好きになる気持ちは共感するけど、七瀬をお前のところには絶対行かせないからすぐに諦めて」
「横取りはしないですけど、隼太さんそんな独占欲出せたんですね」
「この子は特別だから」
「いいと思います。そのほうが人間味がでてますから」