獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
森川くんは私のことを好きになりそうって冗談だから、隼太くんに諦めろと言われても笑っているのかもと思ったんだけど……
どうやらそうでもなくて、心の底から隼太くんが誰かと一緒にいることを喜んでいるようだった。
兄弟みたいだなって勝手に思う。
「じゃ、帰るから。退院したらまた戻ってきな」
「ありがとうございました!七瀬さんも本当にありがとうございます」
「いえいえとんでもない!お大事に」
一言二言交わして、病院をでた私達。
颯くんが前に、本来ベルは旧校舎(野獣の檻)にいなければならないと言っていた意味がやっとわかる日だった。
今までが安全だからであって、噂で隼太くんが獣と恐れられている本当の姿を目の当たりにするのである。