獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
「隼太くんは、あなた達みたいに平気で人を傷つけたりしない。 もし、本当に黒金会にいたのだとしたらそれは何か理由があったはず」
「あいつは、お前が知らないだけで俺らよりも非道なことする」
「私は私が見たもの、感じたものを信じたい」
「なら、その目で見てみろ。あいつが理性が崩壊するところを」
その瞬間、一気に距離を詰められてそのまま黒金会の男たちの所へ突き飛ばされる。
よろけそうなところを、男が支えて強く腕を掴まれた。
「いた、…いっ!」
「大人しくし―――」
恐ろしくて目をギュッ瞑ると、掴んでいた男が不自然に途切れた。
同時に腕は解放されて目を開けると、目の前には隼太くん。
「この子に触れたその手、使えなくしてやるよ」
「う…っ、ああ!」
隼太くんは、男の腕を足で押さえつけたまま、冷酷な瞳を向けた。
本当に私の前にいるのは隼太くんなのかと疑ってしまうほど、雰囲気が違う。
さっきまで襲ってた人たちも、明らかに雰囲気が変わった隼太くんに怯んで後ずさっていた。