救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「ああ……強い毒というのは、間違いないようだ」

 ルーファスは嫌そうな表情を見せ、怪我の上に手をかざし、そうすると血が驚くほどの勢いで噴き出した。

「っ……ルーファス!」

「大丈夫。手早く血を抜いているだけ。毒傷を負った人の血を抜く方法を知らない……? こうすれば、どんな強い毒でも、侵されることはない」

 十分に毒を出したと思ったのか、ルーファスは手を翳すのを止めた。サブリナは慌てて持っていたハンカチを取り出し、その傷に巻き付けた。

「ありがとう。汚してしまって、すまない」

 その時にサブリナが見たものは、ルーファスの微笑みと、地面に落ちた血の量だ。

(こんなに……こんなに、たくさんの血が……ああ)

 毒矢が刺さり身体に強い毒が入り込み、それを除去するために、多量の血を抜き出したという理屈は理解出来る。

 けれど、ルーファスは本来、サブリナの願いなど聞かなくて良いのだ。

 ルーファスは誰かと勘違いしていて、サブリナはそれを利用している。恋人と呼ぶ彼に間違いを訂正しない。

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