救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
(どうして、何も言わないの……? 私はルーファスを利用しようとしていた。最初無関係だと言っていたルーファスを勘違いだと知りながらも、恋人と呼ぶ彼を自分が住む国を守るために自分勝手に使おうとしたのに)

 静かにサブリナを見つめるルーファスには、いっそ激しく責め立てられれば楽だったのかもしれない。

 誰かを騙したのならその後には相応の報いが待って居るはずだと、サブリナは思っていたからだ。

 けれど、ルーファスは何も言わない。何も言う気もないのか、それとも何か彼なりの考えがあるのか、それすらもわからない。

 沈黙の意味がわからない事に耐えかねて、サブリナは続けて言った。

「これは、アシエード王国を守るためにしてしまったことなの。ルーファスを好きだと言ったことも、全て嘘だったの。私はあの時、舞踏会で貴方が助けてくれた時から、ずっとずっとルーファスを騙していたのっ……!」

 ルーファスは何も悪くない。悪いのは自分で、彼には責任がない。その事だけは確かだった。

 ただ、アシエード王国とサブリナに利用されていただけだ。

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