救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 だからこそ、ずっと罪悪感に苛まれていた。ルーファスがサブリナを大事にしてくれればくれるほどに、本当のことが言いたくて堪らなかった。

(私は貴方に、大事にされるべき存在ではない。勘違いしていると気が付いているのに、それを利用してルーファスを利用しようとしていた)

「……別に泣かなくて良い。サブリナ。僕は何も気にしていない」

 その時、サブリナは自分が感極まって泣いてしまっていることに気が付いた。ぽろぽろと流れ落ちる涙を、手で拭っても止まらない。

「ごめんなさいっ……これは」

 騙されていたのはルーファスで、騙していたのはサブリナだ。

 ここで彼が涙するなら理解もされようが、騙す側のサブリナが泣くことは誰が見たとしてもおかしかった。

「サブリナ。僕は気にしていないし、これは気にしなくても良い。だから……」

 まるで、興奮している彼女を宥めているような言葉を、遮るようにサブリナは言った。

「ルーファス! これは、勝手なお願いだとわかっています。けれど、アシエード王国を守って欲しいのです。そのためなら、私はなんでもします……なんでも!」

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