救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 これまでサブリナはラディアント伯爵邸より通っていたが、幼い魔法使いダミアンとは共に暮らすことになった。

(陛下もルーファスと私が何かあったんだろうと疑ってはいるけれど、代理を用意してくれたのなら、関係は悪くないと思われたのかしら……けれど、魔界の門が完全に封印出来るまでは気が抜けないと思い、関わらせることにしたのね)

 窮地にあるアシエード王国の今後は大魔法使いルーファスに握られている現状は変わらない。

 ダミアンとて彼の代理としてやって来ているだけで、彼の気が変われば居なくなってしまうかもしれない。

 サブリナは王家が派遣した護衛と共に、ダミアンと暮らすことになった。ダミアンに聞けば魔界の門に刻まれた紋様の解析はかなり進んでいるようで、後は完全な封印に向けての準備に掛かるらしい。

 幼いダミアンは賢い子で手は掛からないものの、傍に居るサブリナにやたらと甘えたがった。いきなり抱きついたり膝枕したりと、幼い子が母に求めるような接触を求めていたのだ。

(もしかしたら、自分の持つ魔力が原因で魔物に襲われてお母様を亡くされたのかもしれないわ……)

 ルーファスの悲しい過去を思い出せば、幼くして魔法使いを名乗るダミアンがサブリナに甘えたがる理由も理解してしまえるようで、サブリナは彼のやりたいようにさせていた。




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