救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

23 浴室

「ごめんなさい。ルーファスの部屋は、彼が使っていた通りに置いておきたいから……」

 いきなり姿を消してしまった大魔法使いルーファスではあったが、またここへと戻って来て来るかもしれない。

 そんなルーファスの部屋を代理で来てくれた魔法使いダミアンとは言え、サブリナは誰にも使わせたくなかった。

 けれど、使用人たちが使用しているような部屋に客分の彼を放り込む訳にもいかずに、幼いのだから問題ないだろうと、一晩だけ一緒のベッドで眠ることにしたのだ。

「そ、それは構いません。構いませんが、僕は別にソファで眠っても大丈夫なのですが」

 恐縮してしまったのか、しどろもどろになりながら、ダミアンは答えた。

 彼は年齢がいくつかは知らないが、姿形からして、まだ十歳にもなっていないだろう。しっかりした受け答えをすることが出来て、賢い少年だが、幼いことには変わりはない。

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