救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「集中して本を読むのも良いけれど、休憩すると時間と決めたのなら、お茶を飲む時は本を読むことはやめた方が良いわ。だって、貴重な本を汚してしまうかもしれないでしょう?」

「……はい。ごめんなさい」

 素直に謝ったダミアンはサブリナに叱られて、戸惑っているように見えたものの、怒りの表情を見せることはなかった。

 反省した様子で本を置きに行ったので、サブリナはほっと息をついた。

 これまでに居た魔塔と呼ばれている施設には、おそらくは幼い彼を叱って教育するような存在は居ないのかもしれない。

 それならば、一般的に行儀が悪いと思われるような行動をしても、誰も注意しないので知らない事も仕方ない。

「知らなかったのなら、やってしまっても無理はないわ。今度から気をつけてね」

「はい」

 ダミアンはサブリナの言葉ににっこりしながら頷いて、お茶に口を付けた。

『……放送致します。グレンダ・ハウエルさんが、三日前から行方不明になっております。もし、お見かけになられた方は、近くの騎士団派出所までご連絡ください。ご高齢なので、家族も心配されております。繰り返します……』

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