救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「……お前に俺の気持ちは、わからない。ルーファス。居るだけで何もせずとも、すべてを手にしやがって」
悔しそうに言ったモードレッドに、ルーファスは鼻を鳴らして笑った。
「周囲の皆を、地獄に巻き込む……? だったか。ああ。そうだな。僕は一国を地獄に落としたのだから、その通りなのだろうな。知らぬ者は、なんとでも言う……僕が何を失って何を手にしたかなど、本人に聞かねばわからないのだからな」
ルーファスに間近で目を合わせそう言われたモードレッドは、その迫力に言葉を失い、何も言うことが出来ないようだった。
(……ルーファスは自分のせいで故国が滅亡したと言っていたけれど、あれは、モードレッドも知らないことだったのね)
大魔法使いルーファスは名前以外謎に包まれていて、それ以外を知る者は居ない。だから、モードレッドもあんなにも悲しい過去があるとは知らず、ただ妬んでいただけだったのかもしれない。
ルーファスが彼の胸元から手を離そうとした時、いくつもの影がにじり近寄ってきた。
悔しそうに言ったモードレッドに、ルーファスは鼻を鳴らして笑った。
「周囲の皆を、地獄に巻き込む……? だったか。ああ。そうだな。僕は一国を地獄に落としたのだから、その通りなのだろうな。知らぬ者は、なんとでも言う……僕が何を失って何を手にしたかなど、本人に聞かねばわからないのだからな」
ルーファスに間近で目を合わせそう言われたモードレッドは、その迫力に言葉を失い、何も言うことが出来ないようだった。
(……ルーファスは自分のせいで故国が滅亡したと言っていたけれど、あれは、モードレッドも知らないことだったのね)
大魔法使いルーファスは名前以外謎に包まれていて、それ以外を知る者は居ない。だから、モードレッドもあんなにも悲しい過去があるとは知らず、ただ妬んでいただけだったのかもしれない。
ルーファスが彼の胸元から手を離そうとした時、いくつもの影がにじり近寄ってきた。