救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 恋人と呼ばれて彼から最優先されているという特権を与えられているというのに、それは自分の事ではないと理解をしていた。

 自分ではない『恋人と呼ばれている誰か』に、嫉妬しているのだと、今なら認めることが出来る。

(ルーファス……早く、目覚めてくれないかしら)

『……緊急放送です。魔界の門の封印が不安定な状態にあります。現在復旧中です。魔物が出現しています。魔物大暴走(スタンピード)の危険が高まっています。繰り返します……』

「なんですって?」

 拡声魔法での放送に、サブリナは目を見開いた。

「サブリナ。ここを逃げよう。この近くに魔物が出て来ているというなら、彼に群がることになる。魔界の門を閉じてくれる魔法使いが現れるまで、出来るだけ距離を稼いでおいた方が良い」

 キラキラとした光る粉を落として飛んだパックは、慌てた様子でそう言った。魔力を多く持つ人間は、魔物に狙われる。それに、ルーファスは今、意識を失っていて、魔力を隠せてはいない。

「……けれど、今ルーファスに魔力は……」

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