救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「いや、僕と君の認識は同じで合っているよ。サブリナ。夜会の夜、君は複数の男たちに囲まれて、困っていたよね。あの時で合っている」

「え? ええ」

 彼が何を言わんとしているかをまだ理解出来ず、サブリナは戸惑いながら頷いた。

「あの時、僕は魔女に、いきなり召喚されてね……ああ。必要があったので、住んで居る場所まで明かしてしまったことが間違いだった。だから、僕はすごく……不機嫌だったんだ」

 その時、視界に入る風景が変わり、サブリナは驚いた。

 そこは先ほどまでに居た貴族らしい邸ではない。山の中にある、大きな木の中にある小屋だった。

 以前、海岸に移動した時と同じように、座っている椅子と一緒に移動したらしい。

「その原因がこれだ。この魚は僕の好物なんだ。久しぶりに釣れて、やっと食べられると思ったら、あの城の中に居て……最悪だったよ」

 四角い食卓の上には、切られて食べる食前だったのか、皿に盛られた魚の切り身が干からびていた。

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