救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 家族の前でも冗談ひとつ言うことのない父がこのように悲壮な表情で話すのならば、それは間違いないことなのだろう。

(お父様がここで、私に嘘を口にするようなはずがないわ……ああ。それで、王国が滅亡してしまうと……国王陛下も皆、あの時に必死になっていたのね)

「あの、お父様。魔界の扉の封印が解けたというと、魔物は出て来ていないのですか。大丈夫なのですか?」

 魔界の扉の封印が解かれたのならば、そういうことにならないのだろうかとサブリナは心配になり聞けば、父はわかっていると言わんばかりに何度も頷いた。

「ああ……扉は封印は解けたばかりで、まだ効果が残っていて、魔物はすぐには出てこられない。だが、完全に解けてしまえば魔物大暴走(スタンピード)が起こってしまう。そうなれば、アシエード王国は、もう終わりだ……」

 国が滅亡する。

 あの男性、ルーファスにしか、王国は救えない……だからこそ、国王ならびに側近たちはあのように、跪いて懇願していた。

 どうか、アシエード王国を救って欲しいと。

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