救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「ああ……あの深い森。王都のすぐ近くにある森は、王家の森と呼ばれていて、創国の王が魔界との扉を封じてある。その解けないはずの、封印が……あろうことか、今日、解けてしまったのだ」
フレデリックは頭を抱えて、現在アシエード王国が陥っている深刻な状況を娘に伝えた。
「ああ。そうなのですか……あれは、お伽噺ではなかったのですね」
それはアシエード王国では幼い子どもの頃に目を輝かせて聞くような、そんな英雄譚だ。
遠い昔、魔界の門が開き、魔物大暴走(スタンピード)が起こり、アシエード王国がある一帯は不毛の地となってしまった。
だが、そんな地にも救世主が現れる。魔界に通ずるという扉を決死の覚悟で封印した若者が居たのだ。
それが、アシエード王家の祖先、初代王だ。
これまでに、サブリナは……いや、アシエード王国の大多数の国民は、王家の権威を示すために大袈裟な作り話をしたのだろうと、そう思って居た。
だが、そうではなかったのだ。だからこそ、本日、魔界への扉の封印が解ける事態になってしまった。
フレデリックは頭を抱えて、現在アシエード王国が陥っている深刻な状況を娘に伝えた。
「ああ。そうなのですか……あれは、お伽噺ではなかったのですね」
それはアシエード王国では幼い子どもの頃に目を輝かせて聞くような、そんな英雄譚だ。
遠い昔、魔界の門が開き、魔物大暴走(スタンピード)が起こり、アシエード王国がある一帯は不毛の地となってしまった。
だが、そんな地にも救世主が現れる。魔界に通ずるという扉を決死の覚悟で封印した若者が居たのだ。
それが、アシエード王家の祖先、初代王だ。
これまでに、サブリナは……いや、アシエード王国の大多数の国民は、王家の権威を示すために大袈裟な作り話をしたのだろうと、そう思って居た。
だが、そうではなかったのだ。だからこそ、本日、魔界への扉の封印が解ける事態になってしまった。