救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 ルーファスが片手を振れば、サブリナが着ているお茶会用のデイドレスが軽くなったように思えた。

 彼女は手でドレスに触れて、それは勘違いではないと確信した。

(ああ……ルーファスが魔法で、私のドレスを乾かしてくれたのね。雨に降られてしまい、水分を含んでしまっていたから……すごい。こんなことも出来るんだわ)

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

 ルーファスにお礼を言えば、軽く返された。

 現在はデイドレスを着ているが、ルーファスとこの邸で晩餐を共にするのなら、用意していたイブニングドレスへと着替えなければならない。

 けれど、雨に降られてしまっているので、夜の間にどう乾かそうかと悩んでいたのだ。

「行方不明の子どもですが……どのような状況に居るのかもわからず、行方不明になっているようで心配ですわ。どうか、無事に見つかってくださると良いのですが……私も着替えたら、少しこの辺りを探してみようかと思って居ます」

 サブリナは自分の母が亡くなってしまった、あの数ヶ月前の出来事を思い返し、表情を暗くした。

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