救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
08 夜会へ
(どういうことなの……? ああ。そうだわ。彼は大魔法使い。行方不明になった子どもが、どこに居るかなんて、簡単に……)
「っ……出来るのですか……?」
ルーファスが伝説級の大魔法使いだとはわかりつつも、未だに実感を湧かせることが出来ないサブリナは、目を見開いて聞いてしまった。
「僕には出来るよ。君がそれを、望むのならね」
「どうか……どうか、助けてあげてくださいっ!」
サブリナが祈るように手を組めば、ルーファスは面白げに微笑んだ。
「では、そうしよう。僕が今から探してくるから、サブリナは着替えておいで」
ルーファスは先ほどサブリナが入って来た大きな扉を、するりと出て行ってしまった。
慌てて彼女が追い掛ければ、そこには強い風が吹いていて黒い雲が沈み行く太陽の光を飲み込んでいた。もうすぐ、光のない夜がやって来るだろう。
(ああ。もう、探しに行ってしまったの……? 凄いわ。ルーファスは本当に、大魔法使いなんだわ)
サブリナが着替え終わらぬうちに、ルーファスはあっという間にずぶぬれで衰弱している男の子を抱えて戻り、使用人に身体を温めて寝床を用意するように命じた。
近くの村に住む両親は使用人の知らせを聞いてやって来て、回復するまでは居ても良いと言ったルーファスに泣いて感謝していた。
その後に、二人は着替えて晩餐室にて、食事を前に向かい合っていた。
「あの……ありがとうございました」
「別に良いよ。他ならぬ君のお願いだからね。聞かない訳にもいくまい」
向かい合った席で食事を始めながらサブリナがおずおずと感謝の言葉を口にすれば、ルーファスはこともなげに頷いた。
「っ……出来るのですか……?」
ルーファスが伝説級の大魔法使いだとはわかりつつも、未だに実感を湧かせることが出来ないサブリナは、目を見開いて聞いてしまった。
「僕には出来るよ。君がそれを、望むのならね」
「どうか……どうか、助けてあげてくださいっ!」
サブリナが祈るように手を組めば、ルーファスは面白げに微笑んだ。
「では、そうしよう。僕が今から探してくるから、サブリナは着替えておいで」
ルーファスは先ほどサブリナが入って来た大きな扉を、するりと出て行ってしまった。
慌てて彼女が追い掛ければ、そこには強い風が吹いていて黒い雲が沈み行く太陽の光を飲み込んでいた。もうすぐ、光のない夜がやって来るだろう。
(ああ。もう、探しに行ってしまったの……? 凄いわ。ルーファスは本当に、大魔法使いなんだわ)
サブリナが着替え終わらぬうちに、ルーファスはあっという間にずぶぬれで衰弱している男の子を抱えて戻り、使用人に身体を温めて寝床を用意するように命じた。
近くの村に住む両親は使用人の知らせを聞いてやって来て、回復するまでは居ても良いと言ったルーファスに泣いて感謝していた。
その後に、二人は着替えて晩餐室にて、食事を前に向かい合っていた。
「あの……ありがとうございました」
「別に良いよ。他ならぬ君のお願いだからね。聞かない訳にもいくまい」
向かい合った席で食事を始めながらサブリナがおずおずと感謝の言葉を口にすれば、ルーファスはこともなげに頷いた。