救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
(どうして、私なのかしら……ルーファスは、何でも出来る。それこそ、彼が望めば一国の王女様とでも、結婚することも出来ると言うのに)

 現在、アシエード王国には王女は居ないが、国王は、もし娘が居て彼が望んだのならば、すぐに差し出しただろう。

 娘を嫁がせてアシエード王国全体が救われるのであれば、間違いなく国王はそうしたはずだ。

 けれど、大魔法使いルーファスは、恋人として扱うサブリナの願いならばと、何でも叶えてくれそうだ。

 サブリナがルーファスに恋人だと言われて戸惑っているとわかっているはずなのに、彼本人は微笑んで見つめているだけで、それを何故なのかと理由を聞こうと話しもしない。


◇◆◇


 川に落ち込んで帰れなくなっていたフレディという名前の男の子は、翌朝になれば体調も戻っており、眠れずに同室で看病をしていた両親と帰宅することになった。

 昨夜から同じように宿泊していたサブリナは、家族三人が涙を流しながら感謝を述べて帰って行くまで付き合ったが、フレディを助けてくれた当事者であるルーファスは、その場に顔を出すことはなかった。

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