救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
微笑んで答えたサブリナは前々から準備をしていた髪型も化粧も、夜会で相応しいものに変えなければならないし、ドレスも今の流行を考えてメゾンで特別にデザインして貰ったものだ。
ここでルーファスに頼めば時間短縮にはなるのだろうが、サブリナにはせっかく準備したものを無駄にしてしまうことには抵抗があった。
「そうか……もちろん。君の好きにすれば良い。大丈夫だよ。時間になったら、僕がサブリナを迎えに行こう」
「ありがとうございます」
ルーファスはサブリナの意志を、何より尊重してくれる。
彼の魔力を使えば、ここですぐにサブリナを自分好みの装いにしてしまう事も簡単だろうに、彼女の意に反することはなかった。
馬車に乗りいつもの道筋を窓で見ながら、サブリナは複雑な思いを抱えていた。
(ルーファスは……お父様とは違う。亡くなったお母様は、いつもお父様に気を使っていたもの。けれど、彼は私の希望をすべて叶えてくれる。なぜ私を恋人だと言ってくれているのか、わからないから……それを、素直には喜べない)
ここでルーファスに頼めば時間短縮にはなるのだろうが、サブリナにはせっかく準備したものを無駄にしてしまうことには抵抗があった。
「そうか……もちろん。君の好きにすれば良い。大丈夫だよ。時間になったら、僕がサブリナを迎えに行こう」
「ありがとうございます」
ルーファスはサブリナの意志を、何より尊重してくれる。
彼の魔力を使えば、ここですぐにサブリナを自分好みの装いにしてしまう事も簡単だろうに、彼女の意に反することはなかった。
馬車に乗りいつもの道筋を窓で見ながら、サブリナは複雑な思いを抱えていた。
(ルーファスは……お父様とは違う。亡くなったお母様は、いつもお父様に気を使っていたもの。けれど、彼は私の希望をすべて叶えてくれる。なぜ私を恋人だと言ってくれているのか、わからないから……それを、素直には喜べない)