救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「いや。変な意味で取らせてしまったらすまない。言葉の通りの意味だよ。君は真面目な性格で美しく誠実で、礼儀作法やダンスも完璧だからね。サブリナのような女性が恋人で、僕はとても嬉しい」

「……ありがとう。ルーファス」

 ルーファスから手放しで自分を褒められても、サブリナはなんとも釈然としない思いだった。

 つい面白くない表情になってしまったが、彼はそれを見ても楽しげに微笑んでいるようなので、これは問題ないのだろう。

(どういう事かしら? 私が模範的で、貴族令嬢らしいって……ああ。もう考えるのは止めましょう。とにかく、彼にはアシエード王国を救って貰うのが先よ。ルーファスのことを気になるは気になるけれど、とにかくここは問題なく過ごさなければ)

 ルーファス本人から魔界の門に描かれた彫刻を解析し、遠い昔に封印された方法を辿るには三ヶ月程度は掛かるだろうと聞かされている。

 だとしたら、それが過ぎるまでサブリナの役目は何も聞かずに、問題なく彼の恋人役をして過ごすこと。

 それは頭では理解しつつも、心の中までは納得しきれなかった。

「サブリナ……あれは、誰だ?」

< 51 / 164 >

この作品をシェア

pagetop