救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

11 馬車の中での口づけ

 社交界デビューを済ませてからというもの、そこで出会う紳士に話し掛けられても身体を固くして緊張するばかりで、そつのない良い対応が出来たかと言われるとそうではない。

「……そうか。それは良かった。サブリナ」

 ルーファスは落ち着き払って、サブリナの腰に手を掛けた。

 彼の行為自体は、別に珍しいことではなかった。先ほどまで二人は踊っている時に、ルーファスはサブリナの腰に手を掛けてダンスをしていたのだから。

 けれど、息が掛かるまでに整った顔を近づけて来た彼に驚いて、サブリナは思わず顔を俯かせてしまった。

「……ごめんなさい」

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