救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「サブリナ。念のために確認しておくが……本当にあの夜まで、ルーファス様とは一度も面識ないのだな?」

「ええ。もちろんですわ。お父様。私はルーファスとは一度も会ったことはありませんし、彼が私を『恋人』と呼ぶ理由も、未だにわかっていないのです……」

 困った表情でそう言ったサブリナに、父は複雑な顔をして頷いた。

「そうだろうな。これまでにお前が、彼のような大魔法使いに会うような機会もない。だから、確認したかっただけだ……ルーファス様の様子は、このように逐一報告してくれ。何か変わったことがあれば、すぐにだ。良いな? ベネディクトについては、私も良くわからないが、次に会った機会に釘を刺しておくようにしよう。不安要素は出来るだけ、取り除いておきたい」

「わかりましたわ。お父様」

 サブリナが何度か頷いたのを確認し、フレデリックは食事を再開した。

(あの時の出来事は、そういう事だったのね……ルーファスは魔女アデライザに召喚されて、それを追い掛けていた。彼女は人に紛れようと必死で、夜会会場に来たのね)

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