救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 慌てふためいて逃げていたから、ぶつかっても謝罪せずに行ってしまったのだ。自分よりも圧倒的格上の存在を怒らせてしまっていたので、必死だったのだろう。

「あの……お父様」

「なんだ?」

「魔女アデライザは、どうしているのですか……?」

「ああ。ルーファス様が居なくなるまで、このアシエード王国には決して近付かぬと、すぐに手紙を送って寄越したきたらしい。命の危険を感じるほどに、彼と自分は力の差がありすぎるのだと」

「まあ……」

 サブリナは逃げていた彼女の行方が気になって聞いてみたのだが、結果を聞いて言葉をなくしてしまった。

 そして、アシエード王国に雇われていた魔女アデライザをそうさせてしまうほどに、大魔法使いルーファスは恐ろしい存在なのだと実感した。


◇◆◇


 サブリナがいつものようにルーファスの邸へと訪れれば、陽の当たる椅子に腰掛けた彼は分厚い書物を開き、紙に何かを書き付けているようだ。

 床に散らばった数枚の紙には、複雑な紋様や乱れた文字で書き付けがある。

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