救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
あまりに重い過去を持つ彼に、サブリナもそれだけは、言い切れた。
彼は膨大な魔力をその身に持つ人として生まれたが、それはルーファス自身が望んだことでもなんでもない。
決められた運命と言えば、そうなのかもしれない。
魔物の襲撃が多いからと、もしかしたら自分のせいかもしれないと、最初から思い至れる人物は世界広しと言ってもそう多くはないだろう。
(生まれつき魔力が強いというだけで、魔物に狙われてしまうなんて……故郷が自分のせいで滅んだと知るなんて、ルーファスはこれまでにどれだけ辛かったことか)
「僕が魔法を覚えるまでに育ったのが、奇跡的だったんだ。あの公国は名高い海軍に守られていた。だから、僕だけは生き残れたんだ……そして、魔法を習い魔力を隠せるようになっても、人を見れば色々と思い出してしまってね。出来るだけ、人里から離れて暮らしていた」
「これまで、ルーファスは人から離れて暮らしていたの?」
そういえば、これまでルーファスがどうしていたかは、聞くこともないし知ることはなかった。ただ、魔女に召喚されて、アシエード王国へとやって来たということを知っているだけだ。
彼は膨大な魔力をその身に持つ人として生まれたが、それはルーファス自身が望んだことでもなんでもない。
決められた運命と言えば、そうなのかもしれない。
魔物の襲撃が多いからと、もしかしたら自分のせいかもしれないと、最初から思い至れる人物は世界広しと言ってもそう多くはないだろう。
(生まれつき魔力が強いというだけで、魔物に狙われてしまうなんて……故郷が自分のせいで滅んだと知るなんて、ルーファスはこれまでにどれだけ辛かったことか)
「僕が魔法を覚えるまでに育ったのが、奇跡的だったんだ。あの公国は名高い海軍に守られていた。だから、僕だけは生き残れたんだ……そして、魔法を習い魔力を隠せるようになっても、人を見れば色々と思い出してしまってね。出来るだけ、人里から離れて暮らしていた」
「これまで、ルーファスは人から離れて暮らしていたの?」
そういえば、これまでルーファスがどうしていたかは、聞くこともないし知ることはなかった。ただ、魔女に召喚されて、アシエード王国へとやって来たということを知っているだけだ。