救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「魔界の門が、とても不安定だね。王家の森はずーっと安全だろうと思っていたから驚いたよ。僕らもここを離れるべきかと思っていたんだけど……とてもとても強い存在が、どうにかしてくれるために、ここに来ているからね」

 パックは小さな身体よりも大きなカップを持ち上げて、ミルクを喉を鳴らして飲んでいた。

「ああ。ルーファスの事ね。そうね。今、彼は一生懸命完璧な封印を施そうと、頑張ってくれているわ……」

「……大魔法使いと呼ばれる存在が誰かの命令を聞くなんて、なんだか珍しいよね。僕らもびっくりしたんだ。彼らは姿を隠して、世間とは関わらぬように生きているからさ」

「……そうね。本当に、ありがたいことだわ」

 まさかここで自分がお願いしたからルーファスがアシエード王国を救う気になってくれたからとも言えずに、サブリナは曖昧に微笑んだ。

「封印が解かれた時も、大きな魔力を感じたけどね。あれとは違う……なんだか、違う感じだったけど」

「……え? どういうことかしら?」

 サブリナはパックの話を聞いていて、驚きに目を見張った。パックはまたクッキーを頬張ると、ごくんと飲み込んで言った。

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