救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 まだ捕らえられていないサブリナがここで逃げようとおかしな動きをすれば、彼らをすぐに殺しても良い。だから、その場から動かずにいろという脅しの意味だと思った。

(いつの間に……信じられない。いえ。彼らは一体、誰なの?)

 会話の内容を聞けば、金銭が目当てで貴族令嬢ならば、別に誰でも良かったと言う訳でもなさそうだ。

 サブリナは自分を狙った者に、首尾良く誘き出されたとは理解出来るものの、彼らの動機がわからない。

(一日に何度か通る……私は、確かにここを通るし、窓から良く景色を眺めていた。そこに兎が居るのなら、こうして降りて来てもおかしくない。お父様の政敵かしら? いえ。アシエード王国は、滅亡の危機にある。そんな場合ではないはずよ)

 しかも、サブリナの願いを聞いて大魔法使いルーファスがこの国を救ってくれることになったのだ。

 だと言うのに、そんな肝心な頼みの綱とも言える彼女を殺そうとするアシエード王国の貴族が居るとは、とても思えなかった。




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