救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
(私は……なんという、馬鹿な事をしてしまったの。パックはあの時に、教えてくれたのに。誰か、魔界の門を開こうとした人物が居るって……もっと早くにそれに気が付いて、慎重に動くべきだったのよ。今更、この事に気が付いたって、もう遅いんだわ)

 サブリナの周囲は男たちが取り囲み、彼らは一様に口元ににやにやとした嫌な笑いを浮かべていた。

 これからの事を存分に楽しむつもりなのだろう。

「……私が死ねば、アシエード王国は滅亡するわよ」

 気丈にサブリナが言い放てば、先頭に立つ頭目らしき男が大きな声で言い返した。

「はー? 何を言ってんだか! 自分の命の価値を重く見積もり過ぎなのではないでしょうかね? ……お気の毒だが、お嬢様にはここで死んでもらう。それだけで、俺らは大金が手に入るんでね」

 死にたくないサブリナが最後の悪あがきで大きな嘘をついていると思ったのか、ゲラゲラと声を合わせて彼らはあざ笑っていた。

 それは、まぎれもない事実ではあるのだが、何を言っても保身にしか聞こえず信じて貰えないだろう。

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