まだ誰も知らない恋を始めよう

51 兄からの手紙と甘えたいわたし

 メイトリクスは、フィンの身近な人物に近付いて、彼の行く末を見届ける気だ。

 それが目的で、誰に変身したのか。
 捜索範囲が広過ぎて、どこから手を付けて良いのか分からない。


「少なくとも、魔法学院の面々は外して良いわね。
 流石に、自分以上の魔法士がゴロゴロ居る古巣には戻らないでしょう。
 別人に変身しても、魔力の臭いでオルくんにバレてしまうのだし」

 オルくんには、紙片を渡された時に握手をされたが、叔母が消去法で魔法学院を候補から外した。
 それを聞きながら、迷走しかけたわたしも少し頭が冷えてきた。
 そうだ、落ち着いて考えろ、可能性が高い方から調べて行けばいい。


「大学もスプリング・ウィークの連休中だし、姿が消えたフィンが登校するかどうかも、そもそもメイトリクスには分からないですよね。
 となると、成り替わる意味の無い大学の友人知人を調べるのは、最後に回して良いかと思います。
 やはり怪しいのは、ペンデルトン一家に近しい使用人かホテル関係者、それに親族、ですよね?」

「んーそうねぇ、これ以上、ここでグダグダ2人で顔を突き合わせて居ても、どうしようもないわね……
 ダニエル、貴女ペンデルトン夫妻とは次はいつ会うの?」

「フィンのご両親と、ですか!?
 約束はしていませんけど」

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